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情熱のかけらの記録

エスプレッソマシン

エスプレッソマシンのこと)2022年6月~備忘録~

使用しているエスプレッソマシンの改造記録や使い勝手等の覚え書きです。現在、家庭用エスプレッソマシンを2台利用しているのですが、「いつかはセミコマーシャルマシンだぜ!」なんて全く考えていません。そこまで「沼」にハマるつもりはないのです。エスプレッソ以外にも、マキネッタはほぼ毎日使ってますし、時折ハンドドリップもします。点滴方式の水出しコーヒーも週1~2回は淹れてますから、エスプレッソやカプチーノだけ飲んでいるわけではないのですね。それでも、エスプレッソを自宅で淹れるようになってからは、コクのある濃いコーヒーに魅了されてしまって、ハンドドリップやコーヒーメーカーで淹れた従来のレギュラーコーヒーを楽しむ頻度が低くなりました。

deviceSTYLE TH-W030 デバイスタイル

種類 : エスプレッソマシン
型名 : TH-W030
外形寸法(mm) : W220×D325×H315
タンク容量 : 1.2L
ポンプ圧力 : 15気圧/抽出9気圧
本体重量 : 3.8kg
定格消費電力 : 1100W/1100W
定格電圧(周波数): AC100V (50/60Hz)
※コーヒープレス/タンパー径58mm

初号機 "BRIEL Porto" で非加圧式のフィルターが使えるようになって、「まずまずのエスプレッソ抽出」ができる環境だったのですが、一般的なコマーシャルサイズと同じ、58mmのフィルターを使ってみたくて入手したのがdeviceSTYLE TH-W030です。GAGGIA や ascaso、Breville 等のマシンも検討しましたが、いずれも5万円超ですので「そこまでいるか~?」と理性に邪魔されてデバイススタイルで妥協したのでした。

このマシンはロングセラーだった"Brunopasso TH-W020"の復刻モデルですね。巷では「モンスターマシン」とか「家庭用でスチーム最強」とか言われてますが、所詮は小さなシングルボイラー(容量180cc程度?)の家庭用マシンです。それでも他社の家庭用モデルと比べればパワフルなのかもしれませんね。付属のフィルターホルダーは2種類もあって、ひとつはカフェポッド(44mm)専用です。

また、家庭用マシンということもあって、粉用のフィルターホルダーにはクレマディスクが仕込まれています。ただし、フィルターバスケット自体は標準のカップですので、クレマディスクをホルダーから取り外してしまえば、非加圧式のフィルターにできます。ネット上の紹介動画等でも取り外して使うことを安易に推奨していますが、実は、そのような使い方では少々問題もあるのでした。

クレマディスクを取り外すと抽出時に湯が漏れやすい!?

簡単に非加圧式フィルターにできるならと購入当初に試してみたのですが、クレマディスクを取り外すとホルダーの締め込み位置も深くなり、強く取り付けたつもりでも抽出時に湯漏れすることがありました。クレマディスクは、抽出ノズルの付いたプラスチック円盤とシリコンゴムのカバーで出来ているのですが、ディスクの厚みが最大で約5mmあります。このディスクがホルダー下部にセットされ、その上にバスケットが乗るのですが、クレマディスクの余分な厚みが、(シリコンゴムの弾力で)バスケットを押し上げる圧力になっているようです。クレマディスクを取り外すとホルダーの爪を回して締め込むだけになり、フィルターバスケットの密着度が弱くなって湯漏れしやすいのでしょう。

非加圧式のフィルターで使う場合には、何か湯漏れの対策が必要だと思い、以下のような対処をしてみました(リッジレスのバスケットなら使える方法ですね)。1)の方法はボトムレスに改造したフィルターホルダーで利用しています。2)の方法はオリジナルの底のあるフィルターホルダーで利用しています。いずれの方法も使うのは製品付属のバスケットです。他にはグループヘッドのガスケットを取り替えて、厚みを変えるとかシリコンゴム製にするとかの手もあるかもしれませんね(この部分のガスケットは簡単には外せない?ようです)。

1)クレマディスクは取り外す
シリコンゴムシートをリング状に切り出して、フィルターホルダーの下部段差部分に設置し、バスケットを縁から押し上げる圧力(弾力)としました。外径59mm、内径47mmで切り出し、シリコンの厚さは3mmと4mmを試しましたが3mmが良いようです。4mmでは若干厚すぎるようですね。締めた時にホルダー上端とバスケットの縁が密着する厚さと弾力が望ましいようです。

2)クレマディスクを改造する
クレマディスクのプラスチック円盤を取り外し、シリコンゴムの外周5~6mm程を残して内円部を切り取ります。これでリング状になりますので、ナイロン板やプラスチック板等をオリジナルの円盤と同じ外径のリング状に切り出して、シリコンゴムの折り返し部分に填め込みました。要はシリコンゴムの折り返しに芯を入れているのですが、何も入れないと厚みと弾力が不足気味ですね。厚さ0.5mmのポロプロピレン板を切り出したので、オリジナルより若干薄くなりましたが効果はあるようです。

粉用のフィルターにはシャワー効率が良くない!?

グループヘッドのシャワースクリーンガスケット(ゴム製)は、中央部が凹んだ形状になっていますが、外周部は幅5mm、高さ7mmのリング状の壁になっています。高さはシャワー部枠とほぼ同じですね。このシャワー部(ブリューヘッド)がフィルター上部にピッタリ入って高圧のお湯が噴き出すわけです。何故、外周部が5mm幅で高くなっているかというと、ポッド用ホルダーを密着して押さえることと、ポッド外周部へのシャワーのマスクを兼ねているのでしょう。ポッド用ホルダーの変わった造りがそんな形状になっています。

しかし、ガスケットの外周部分が幅5mmとはいえ高くなっていることは、粉用のフィルター使用時には、フィルター内の粉とシャワースクリーンのクリアランスを狭めて、シャワー効率が悪くなるように思えます。ネット上の情報でも同様の欠点を指摘している記事がありました。なお、初代機TH-010では全面スクリーンだったようですが、TH-W030(TH-W020)のシャワースクリーンは径も小さいですね(BRIELの方が全面スクリーンで大きいです)。

そこでガスケットを取り外して、シリコンゴムシート(厚さ3mm)をリング状に切り出して取り替えました。中央部の出水栓周りは内径28mmで穴を開けしました。オリジナルのガスケットは内径27mmですが、スクリーンの微孔が少しガスケットに被っていたので若干広げました。

 

この改造でポッド用のフィルターホルダーは使用できなくなりましたが(ガスケットを元に戻せば使えますけどね)、粉用のフィルターではスクリーンのクリアランスも広がって、シャワー効率が良くなりました。カフェポッドの利用も一般的なシングル用フィルターで何とか出来るかもしれませんし、BRIELも使えますので「まぁいいかっ!」ですな。

58mmフィルターでも思った程は粉の量が使えない!?

付属の粉用フィルターバスケットは、底が絞られた形の標準的なもので平均容量は14~18gでしょうか。実際に抽出で使える粉は、メッシュにもよりますが17.5g程度以下ですね。バスケットに詰める粉は最低でもブリューヘッド部の高さ(嵌まり込み)の7mm程は、タンピングでバスケット上縁から押し込まないといけません。17.5g以上の粉を詰めるとグループヘッドへのセットもギリギリかアウトですし、抽出中に蒸れて膨らんだ粉がシャワースクリーンに近すぎるようで(接触?)、抽出後のヘッド部も粉でかなり汚れます。

結局、付属のバスケットでは粉の量を16~17g(通常16.5g)で運用しているのですが(タンピング前でバスケットすり切り程度の量)、これだと抽出後のヘッド部もまぁまぁ綺麗です。現在はこの分量を基準にタンピング圧15~20kgで豆の挽き目を調整、あるいは挽き目によってタンピング圧を調整しています。このマシンの紹介動画等で18g以上モリモリで抽出と言うのもありますが、メッシュが細か過ぎると落ちませんし「そんなに詰められるかぁ~?」って思いますけどね。いずれにしてもトロトロで分厚いクレマの立ったエスプレッソ抽出は難しいものですね。

もう少し粉が入るバスケットを使えないかと思って入手したのが、ボトムレスに改造したホルダーです。VSTやIMSのフィルターバスケットならどうなの?的な興味もあったのですが、購入したホルダーはオリジナルから底をくり抜いてあるのですが、底部のクレマディスクが嵌まる段差部分が少し残った切り方でした。そのため容量の大きなバスケットでは、底部が絞られたカップじゃないと干渉して嵌まらない可能性があります。20g以上のバスケットは、上下がストンと同じ径のままのカップが多く、高さ(深さ)の違いで20gや22gの容量になってますね。

IMSのフィルターバスケットは使えるか?

カフェポッド用のホルダーが使えなくなったこともあり、シングル用のフィルターバスケットも入手しておこうと思って探していたところ、IMSのバスケット(平均容量16~20g)で、底部を少し絞って丸められている製品がありました。高さ(深さ)も26.5mmなのでうまく嵌まるかも?と期待したのでした。米国発送でお安かったこともあり、ボトムレスホルダー用に購入してみました(IMS Competition E-61 Precision Filter Ridged Basket 16/20g - B70 2T H26.5 M)。


製品画像(左)"B70 2T H26.5 M" (16-20g) (右)"B70 1T H26.5 E" (7-9g)

製品付属のフィルターバスケットは、カップ上縁の折り返し部分(エッジ)が小さ目に出来ています。E61グループ用の互換バスケットと比べると、エッジ部分を入れた外径もやや小さく、フィルターホルダーの縁とピッタリ合う大きさです(外径:付属品 68mm, IMS 70mm、エッジ幅:付属品 2.6mm, IMS 3.5mm)。

購入したIMSのバスケットは、付属のバスケットと比べると一見して精密な穿孔で孔数も多いですね(孔径0.30mm/孔数641個)。ボトムレスのホルダーにもピッタリ嵌まり、底部も丸められているので干渉もありません。ただし、リッジのあるタイプなので、ホルダーのバネが効いて取り外しがかなりキツいです。ちなみに、製品付属のホルダーでは、クレマディスクを取り外しても高さ(深さ)が足りず使えませんでした。

グループヘッドへの取り付けも問題なくできます。付属のバスケットではシリコンゴムのリングを利用して圧力を加えていましたが、IMSバスケットはリッジのあるタイプですので、そのような裏技なしに普通にセットするだけですが、付属のバスケットよりもエッジ部分の厚みがあるのでホルダーを締め込みやすく、抽出時の湯の漏れもありませんでした。

IMSバスケットが利用できることで、抽出に使える粉の量が少し増えました。また、効率の良い精密な穿孔なので、より上質なエスプレッソができそうです。後は自分の腕次第でしょうが、これが一番の問題なのですね(笑)。このバスケットは使い始めて間もないため、適切なメッシュや分量、タンピング圧など試行錯誤の日々です。なお、シングル用のバスケットもIMSのもので揃えてみました(B70 1T H26.5 E)。


IMSフィルターバスケットとホルダーにセットした状態

IMSのバスケットには、高さ26.0mm(14-20g)の超精密フィルターもあるようです(Super Fine 超精密 リッジレス B70/フィルター能170µm/孔数565)。穿孔部の大きさもΦ40mmで、購入した"B70 2T H26.5 M"のΦ44mmよりも小さく、その分底部の絞りも大きな形状ですね。「これもいいかな?」と販売品を探しましたが、お安いのはないので諦めました。

余談ですが、このマシンはスチームスイッチを入れると、スタンバイになるまでブリューヘッドから僅かですが水(湯)滴があります。BRIEL Portoでは湯滴はありませんので、故障なのか不良かわかりませんが少し気になります(旧ascaso DREAMも漏れるの?)。ただし、ほんの少しなのでほっといているんですけどね。どうなんでしょう?

TH-W030もいろいろ面倒なマシンですが、手のかかる子ほどカワイイって感じになってきました。ちょっと「沼にハマってるかも?」な感じで、何やかやと出費もありましたけどね。


BRIEL Porto (ES16JR-F) / ブリエル製(ポルトガル

種類 : エスプレッソマシン
型名 : ES16JR-F (本体カラー/レッド)
外形寸法(mm) : W175×D210×H305
タンク容量 : 1.5L
ポンプ圧力 : 14気圧/抽出9気圧
本体重量 : 3.0kg
定格消費電力 : 1200W
定格電圧(周波数): AC100V (50/60Hz)
※コーヒープレス/タンパー径52mm

エスプレッソを淹れているカッコいい外人さんのビデオを観ていたら、自分もやってみたいと唐突に煩悩が湧き上がり、衝動買いした初めてのエスプレッソマシンです。真っ赤なカラーが「イタリアンっぽくていいぜ!」と思っていたら、ブリエルってポルトガルの会社ですね。イタリアってブルーのイメージ?

購入当時はエスプレッソの知識も乏しく、マシンの使い方や抽出のコツ等の情報を収集しながら、バリスタツールもお値段ピンキリで色々あるのを知りました。何となく「エスプレッソって沼かも?」と思いましたが、セミコマーシャルマシン等は趣味の範囲には高嶺のハナで論外ですので、「そこそこの出費で、まずまずのエスプレッソ抽出が出来ればいいんじゃない?」の方針にしています。

さて、BRIEL Portoですが売りの文句は以下のようですな。何故、売れているデロンギではなくBRIELにしたかというと、「スチームがデロンギより良い」「フィルターサイズがデロンギより大きい」「デザインがデロンギより好き」とかの気まぐれな素人判断ですね。

○最大14気圧の高品質ポンプを装備。抽出時は約9気圧で一気にエスプレッソを抽出
○アクアストップ機能で抽出後やスチーミング後余分な圧力を抜き抽出口からのボタ落ちを少なくする
エスプレッソ抽出用とスチーム用のそれぞれのサーモスタットが温度を最適にコントロール

このマシンのポルタフィルターですが、いわゆるクレマディスクが内蔵されていて外せません。ダブルとシングル(カフェポッド兼用)の2つ付属するのですが、シングル用はボルトで外せますが底抜けになりますので、これらのフィルターのままでは非加圧式で使うことは出来ません。

知らなかったとはいえ、加圧式のフィルターでしか使えないのも「何だかなぁ~」とは思いましたが、マシン自体の使い勝手は悪くないですね。何の不良もなく適切なメッシュなら(偽)クレマも立つし、スチームも強く持続性も良い感じでした。カフェポッドもこのマシンで初めて飲んだのですが、試しに買ったムセッティクレミッシモはとても美味しかったですね。

非加圧式(ボトムレスフィルター化)だけが懸案で、呼び径53mmのフィルターバスケットも購入してみましたが、サイズがやや大きくグループヘッドに取り付けできませんでした。一般に販売されている互換品は、外径が62.0~62.5mmで大きすぎるのですね。BRIELオリジナルのバスケット外径は60mmで、縁の折り返しが小さく扁平な形状になっています。

「どうにかならないか?」と思案する日々でしたが、サエコ(Saeco)の純正フィルターバスケット(呼び径が53mmのダブルサイズ) をフリマで発見し、写真で見た感じではBRIELのものと似ていましたので、外径が約60mmであることを出品者に確認した上で購入してみました。

サエコのマシンでも初期ニーナ系のGAGGIA グループヘッドのものは、コマーシャルサイズ(58mm)のフィルターですのでBRIELには使えません。

サエコのフィルターバスケットですが、これが取って付けたようにピッタリです!実際に粉を詰めて抽出してみたら、湯の漏れもなく上々なクレマの立ったエスプレッソが出来たのでした\(^o^)/。フィルターホルダーの底はダブルの排出口があるだけですから、これで非加圧式のフィルター抽出ができるようになりました。BRIELのマシンを使っている方にはサエコの純正バスケットがお薦めです。シングルはカフェポッドでしか使いませんのでオリジナルのままで良しです。なお、カフェポッドの抽出ではポッドの周囲をマスクするために、シリコンゴムシートを切り出してリング状の抑えを作りました。

現在、このマシンはdeviceSTYLE TH-W030に主役を譲りましたが、カフェポッド用や時々のエスプレッソ抽出にまだ現役で使っています。マシン購入後にコーヒータンパーやディストリビューター、ドージングファンネルは53mm用で揃えましたが、タンパーの直径は52.5mmでピッタリでした。真っ赤な本体は置いておくだけでも存在感があってカワイイ感じです。ちなみに、このマシンは缶コーヒーBOSSの懸賞品にも使われていましたね(カラーが黒でBOSSのエンブレムがあるものです)。