fragments@my passion

情熱のかけらの記録

ドカット D-4500 改造 ~釣り用タックルボックス導入

(ドカットD-4500 改造) 山釣りの与太話付 2023年9月~備忘録~

小学生の頃から実家近くの海や川で釣りはしていたのですが、30歳~40歳代は渓流釣りにはまってヤマメやイワナを追って沢や源流に入ることが多くなりました。アブに刺されたり熊の足跡にドキッとしたり、高巻きで三点支持中に手掛かりを失って落下の危険とか、いろいろ危ないことがありましたが、深山の空気感が心地よくてシーズン中は家族を顧みずに出かけていました。山釣りでの持ち物入れはバックパックやウェストバッグを使った身軽な装備でした。


(和式毛鉤類と自作箱。マテリアルも沢山残ってますな。どうしましょう)

釣り方はテンカラとルアーや餌釣りで、毛鉤も自分で巻いていましたが、やはり和式毛鉤が好釣果でした。パラシュートやカディスのようなフライフィッシング向け毛鉤も巻いて試しましたが、小さなもの以外はテンカラでは飛ばしにくいですね。時代的にフライフィッシングが一般にも流行り出していて、「格好いいね!」とは思いましたが、タックルやファッションの沼に嵌まりそうに思えて、伝統釣法のテンカラと渓流ルアーにしたわけです。

当時(30年以上前)、テンカラは少数派だったかもしれません。若い人はフライフィッシングで毛鉤釣りをはじめることが多いようでした。それでも釣り具メーカーからテンカラ竿やテンカラ用のテーパーライン、撚り糸ライン等も販売されていました。自分もダイワ、リョービ、宇崎日新の竿を持っていました。ラインはいろいろ試しましたが、テーパーラインは毛鉤を飛ばしやすいのですが重すぎて水面を叩く感じが気に入らず、ナイロン撚り糸や力糸も性に合わずフロロカーボンに落ち着きました。ナイロンライン(単糸) を使う剛毅な方もいたようで、試してみましたが全く無理でしたね。今ではレベルラインとしてテンカラ専用ラインも販売されていますが、自分はケチなのでC/Pを考えて一般のフロロカーボンを切って使えばいいと思ってるんですけどね。

毛鉤の製作もバイスや各種タイイングツールを揃えると良いモノはかなりお高いですし、ハックルに使う鳥の羽や獣毛、ダビング材等のマテリアルも色々あります。それでも製作に慣れてくると、毛鉤作り自体の趣味性や芸術性もあるようで楽しみのひとつでした。フライタイイング本の綺麗な写真に見入っては、『テンカラでは使いにくいかもね』と思いながらも色々な毛鉤を巻いていました。ある時、子供が友達や母親達と近隣の動物公園に遊びに行って孔雀の羽をもらってきたのですが、「毛鉤の材料ゲットだぜ!」とすかさず取り上げたら嫁に叱られました(トホホ;だってピーコックもいろいろ買ってますから)。

テンカラですと竿とライン(フロロカーボン+ハリス)と毛鉤があればできますのでタックルも簡便です。ラインは藪沢用の3mから本流用の7mまで長さを変えて複数切り出し、仕掛け巻で準備するだけです。テンカラ竿は市販品だけでなく、お安いロッドを短く詰めてコルクグリップを付けた自作の竿も使っていました。ルアーは一時期よく使いましたが渓流での釣果はいまいちで、いつしかテンカラがメインになり、大淵や本流・湖での大物狙いや風の強い時等に使うようになりました。山渓読者でしたので、タオルハチマキやバンダナを巻いたテンカラのファッションも野趣があっていいと思っていたのですよ(笑)。

閑話休題
昨今歳を重ねて深い沢に入るのが危なくなってきたので、またぞろ海釣りしようかと思ったのですが、持ち出すタックルボックスが無かったので、リングスターの「ドカットD-4500」を購入してみました。海釣り用のタックルも少しはあったのですが、プラケースや木箱に入れて保管してあって、時々の海釣りはクーラーボックスとショルダーバッグ等で持ち出していました。

何故ドカットかというとズバリお安いからで、何故人気のD-4700ではなくD-4500かというと少し軽いからですね。D-4500はD-4700と横幅は同じで奥行きと高さが少し小さいため500g程度の差があります。歳なので少しでも軽い方がいいのですよ。超軽いEVA製バッカンの流用も考えましたが、良い物はドカットよりお高いようです(お安い中華製もありますけどね)。

さて、ドカットですが改造情報がネットにいろいろあって、「素のまま使ってはダサいわけ?」と強迫観念じみた感じになり少し改造することにしました。改造とはいっても大袈裟なものではないのですが、できるだけ安価にかつエレガントな仕上がりを目指しました(笑)。改造点は以下のとおりです。

  1. ロッドホルダーを取り付け
  2. 上蓋に取手を追加
  3. 上蓋ストッパー用チェーンを追加
  4. 上蓋裏にマグネットを貼り付け
  5. 小物ケース用ホルダーパネルを取り付け
  6. バランスベルト製作とサドルバンド取り付け
  7. ショルダーベルト用フックアイの取り付け
  8. 底面に滑り止めゴムスポンジを貼り付け

ドカットD-4500は高さと奥行き(縦)が28cmしかありませんが、17Lの容量がありますので思った以上に詰め込めるようです。改造では防錆や重くならないようにパーツを選び、防水も考慮して内部からのボルトはゴムワッシャーを挟んで固定するようにしました。


1. ロッドホルダーを取り付け

ロッドホルダーは塩ビパイプでも出来るようでしたが、加工や塗装もあり面倒なので手っ取り早く市販のロッドホルダーを利用しました。取り付けはステンレス製のU型ジョイント金具(コの字型/27mm/M6)を4個使いました。ドカットの左右短辺(後部)にそれぞれ固定したので、持ち手ハンドルはホルダーに干渉して後部には少ししか傾けられません。しかし、この少し傾けられるのがミソで、ハンドルで持ち上げたりショルダーベルトを掛けたときに、後部から下げても持ち手ハンドルの傾斜が効きます。なお、このホルダーはABS樹脂製なのですが、ロッド差し込み口の成形段差が少しあったのでウレタンテープでガードしました。


(持ち手はロッドホルダー側には干渉しますが前方にはフルで倒せます)


2. 上蓋に取手を追加

これも市販品「ドカッ取手T-173」を利用しました。実はドカットを購入後の商品到着前にダイソーで「取っ手(ブラック、丸棒タイプ)」を購入していたのですが、大きすぎて蓋の傾斜部分には取り付けできませんでした。仕方ないのでドカッ取手を買い直しました。取っ手の取り付けでは、防水処置として多用途ボンドを付けてボルト締めしました。ダイソーの取っ手は勿体ないので、何かの作業(ライン編み込み等)に使えるかもとドカット後面に取り付けました。


3. 上蓋ストッパー用チェーンを追加

ネット情報にあった定番の改造らしいので真似しました。ダイソーの浴槽用ボールチェーンを利用しています。蓋側はリブに穴を空けてリングを通し、チェーン端に付けた釣り用のスナップで簡単に脱着できるようにしました。チェーンの取り付け位置は蓋側・本体側とも短辺の中央とすると前後いずれから蓋を開けても同じ位置で止まります。また、本体側チェーンのカップリングを堅く締めずに、ボルトヘッドとワッシャーの間でカップリングが前後に動く程度に緩めておくと(ナット側をボンドで固定して緩まないようにする)、蓋を前後いずれから開けてもカップリングがチェーンと真っ直ぐになります。


(ケース底には滑り止めクッションシートを貼り付けました)


4. 上蓋裏にマグネットを貼り付け

これもネット情報にあった定番の改造らしいので真似しました。ダイソーの超強力マグネットを2セット使っています。接着は2液性のエポキシボンドを使いしっかり貼り付けました。私的にはなくても良かったのですが、ダイソーでいろいろ物色した時に見つけたので購入しました。これを付けていると蓋に針やリングが吸い付くのでたしかに便利です。ちなみにステンレス製のスプリットリングも磁性があるのですね(SUS430ですな)。


5. 小物ケース用ホルダーパネルを取り付け

ドカット前面にはアルミ板(2×100×300mm)をステンレス製パネルフィクスバー(20mm/M4/両ナット)で取り付けました。また、少しでも軽くなるかとφ18で8個の肉抜き穴を空けました。これで大分軽くなりデザイン的にも良い感じになりました。後面にもアルミ板と20mmスペーサーで小さなホルダーパネルを取り付けました。これらのホルダーにはダイソーで購入した「タックルボックス用小物ケース」(前面2個)と「ペットボトルホルダー」(後面)を取り付けて使えるようにしました。塗装は蓋やロッドホルダーに合わせて、朱赤系の自動車用ラッカースプレーを使いました(マツダ車用クラシックレッド)。


(ホルダーパネルは使い方次第でいろいろ応用できます)


6. バランスベルト製作とサドルバンド取り付け

ドカット後面のロッドホルダーにロッドを入れた状態やペットボトルを入れた状態で持ち上げると、後面が重くなりドカットが傾いてしまいます。このような場合に重量バランスをとって水平に保つのがバランスベルトですね。BMO JAPANから製品も販売されていますが(1100円+送料)、持ち手ハンドルへの取り付けがマジックテープでちょっとダサいしお高いかと思い、ダイソー商品等を活用して自作しました。ロープを使って簡単に作ることもできますが見た目重視ですな(笑)。

使った材料は、 (ダイソー)「荷締ベルト60cm」(2袋)、Dカンまたは三角カン(20mm/1個)、ナスカン(20mm/2個)、ステンレス製サドルバンド(2個)、ベルトアジャスター(20mm/2個) です。

ナスカンとDカン、アジャスターは手持ちでありましたので、その他はダイソーとホームセンターで購入。荷締ベルト1袋にはベルト2本入りでラダーロックも付いていますので丁度いいですね(2袋購入でベルト3本使うと1本あまり)。ベルトアジャスターはベルトループでもよいし無くても可です。

サドルバンドはドカットの持ち手ハンドルにM4ボルト/ナットで取り付け、荷締ベルトのラダーロック上部にナスカンとDカンを縫い付ければ、後はDカンにベルト2本を通して適切な長さに切れば出来上がり。使用時はナスカンをサドルバンドに取り付け。ナスカンをワンタッチで取り外せばベルトを収納できます。(※Dカンは溶接Dカンを使いました。ベルトの切断面はライター等で炙って解れないようにします)


(蓋と本体の貫通穴の幅は20mmなのでベルト幅を合わせています)

サドルバンドを使わずにマジックテープを利用すればハンドルの加工は不要になります。その場合にはナスカンの代わりにDカンを付けてマジックテープを通し、持ち手ハンドルに巻きつけて固定すると良いでしょう(ありゃ!これだとBMOの製品とほぼ同じか?!笑)。


7. ショルダーベルト用フックアイの取り付け

ショルダーベルトの取り付けフックアイを何処にするかちょっと悩みました。持ち手ハンドルの軸下にアイプレートを付ける手もありますが、ハンドルの厚みが相当あって(横への出張り)、ショルダーベルトのフック(ナスカン)やベルトに干渉します。また、アイプレートの取り付け位置が下過ぎたり軸中心からズレていると、バランスが悪くなってドカットが傾いたり回転しそうです。結局、加重位置が高めでハンドル軸上が一番安定しますので、持ち手ハンドルにフックアイを付けることにしました。ハンドルの付け根部分は3枚のリブがあって引っ張り強度が高いので、この部分に何とか嵌まる内径30mmの「ネジ式Dカン」を使いました。


(Dカン取り付け穴内面のバリ取りを忘れてました。後日バリ処理しました)

穴空け自体はドリルで簡単なのですが、ハンドルが付いた状態でリブ3枚を通して完璧に水平な穴空けはちょっと難しいですね。今回の加工では片方がわずかに傾いてしまいました。それでも問題なくベルトが掛かりショルダーで持てますのでドンマイですな。


8. 底面に滑り止めゴムスポンジを貼り付け

ドカットの底面には穴を空けたくなかったので、貼り付けタイプのゴムスポンジを付けました。使用したのは、ルアーバンクの「ドカット用・滑り止めゴムスポンジ 」(D-4500用)です。お安く販売されていましたので、お手軽に利用しました。糊付なので6箇所に貼り付けましたが、濡れたらどうなの?と思い2液性のエポキシボンドで数カ所点付けを追加しました。


(やや硬質なクロロプレンゴムの発泡素材のようです。消耗品ですが6個でも超軽いですね)


改造後の印象は...

ほどよくスッキリした外観で思惑どおりエレガントに仕上がりました。小物ケースを付けないと渋いレッドの穴あきパネルが印象的で、デザインを引き立てているのですよ(笑)。ちなみに、このドカットD-4500に詰めるケースもダイソーでお安く揃えました。リングスターや明邦のパーツケースもいいですが、ダイソーでも十分な品質の商品がありますので発想次第ですな。

付属中皿の下に、耳を切除した「セクションケース(11マス、20×13.5×3.7cm)」を4段、「クリアパック(800mL、20.3×12.7×5.8cm)」を2段、「整理トレー(仕切板2枚付、20×6.7×4cm)」を3段またはセクションケースを縦入れ2個で庫内にピッタリでした。セクションケースなら6個以上入るので、テキサスリグやキャロライナリグ、サビキ等の仕掛けを入れても余裕ですね。この組み合わせでも、中皿横にリールやリーダー等のライン類、ショルダーベルト、小型の水汲みバケツ等を入れるフリースペースを取れます。

ドカットD-4500でも地磯・堤防・サーフでのジギングや投げ釣りなら、ルアーやワーム、仕掛け類を相当数持ち出せるので私的には十分な容量です。本来の用途は工具箱なのかもしれませんが、ブランドや高級品とかに拘りがないなら、お安くて頑丈に出来てるドカットもタックルボックスに良いですね。明邦のバケットマウスも検討しましたが、ドカットの方がシンプルなのでカスタマイズして遊べます。

(追記)
朝夕マズメ等の薄暗い時や夜間のドカット内照明に使えるかとダイソーの「2LED自転車ライト」を購入してみました。シリコンゴムのベルト脱着なので持ち手ハンドルにピッタリ取り付けできます。ヘッドライトの光量追加でもヘッドバンド両サイドに付けられますね(笑)。小さくても明るいので重宝しそうです。