fragments@my passion

情熱のかけらの記録

電動コーヒーミル

(電動コーヒーミル)2022年5月~備忘録~

オーディオにのめり込むのもコーヒー沼にハマるのも、突き詰めれば自己満足のための欲求ですから、余分な煩悩を捨て去れば余計なことをせずとも、心穏やかに過ごせるのでしょう。でも、時にはちょっとだけ足を踏み入れたら失敗して、リカバリのために後戻りできなくなる場合もありますよね。良い音で聴きたい、良い装置で音楽を楽しみたい、美味しいコーヒーを飲みたい、うまくコーヒー豆を挽きたい、家族や特別な人に美味しいコーヒーを淹れたい等々、これらの欲求が満足されるか否かは自身の評価や確信によるのでしょうが、他者からの同意や賞賛があれば、さらに満足感の程度が上がります。

こういった欲求を趣味とか楽しみとしたり他者に表現するのも、何かを為すことで自己というものを確認(認識)するための承認欲求が根底にあるのでしょうね。一旦沼にハマれば、普通、平均的、一般的、平凡とかいう状態では満足できず、差別化と自己満足のための欲望に抗えず、極めるとか向上心だとか自己弁護しながら止めどなく出費(投資)していくわけですよねぇ(T-T)。。。自分はまだ理性がありますし貧乏だから大丈夫ですけどね(笑)。


BONMAC BM-250N-BK / ラッキーコーヒーマシン製

寸法:W120×D200×H360mm
重量:3.3kg (本体のみ)
ホッパー容量:250g
受缶容量:250g
定格時間:5分
電源(消費電力):AC100V 50Hz(109W)/60Hz(100W)
ミル刃:ステンレス製(フラット刃)
挽き目:15段階
ヒューズ:125V/3.5A
コード長:約1.3m

このコーヒーミルは上々な評判の割りにお値段が安いですね。カリタやフジローヤル(富士珈機)の同様なクラシカルデザインのミルに比べて半値以下です。かといって性能が劣るかというと、そんなことはなくて、(実際に使ってみたら)とても優れモノで感動しました。このコーヒーミルは所有する電動ミルでは最も新しく追加したもので、それまではデロンギやカリタC-90、ブリエル等を使っていました。エスプレッソに手を出してからは、極細挽きができるデロンギを主に使い、手挽きミルも併用してさほど不自由というわけではありませんでした。しかし「もう少し立派な電動ミルも欲しいな~」の煩悩が常にあって、エスプレッソマシン用に極細挽き出来る「洋モノ」や「みるっこ」(カット刃) が気になっていたのでした。

極細挽きが出来ることが条件でしたので、元々ボンマックやカリタのナイスカットG/ネクストG、みるっこ(臼刃) は対象外だったのですが、ネットの情報で、BM-250N は「挽き目の0点調整で極細挽きができる」らしいと知り俄然興味が湧いてきたのでした。なお、メーカーや販売店では、BM-250N はエスプレッソマシン用の極細挽きは出来ないとアナウンスしていますので、極細挽きで使うのは自己責任ですね。ちなみに、このミルの購入価格は14,520円(税込/送料込)でしたので、デロンギ KG366J の最安価格以下です。モンデンコーヒー(門田珈琲株式会社)で買ったのですが、アマゾン等よりお安いし保証書にもしっかり店印がありました。

本当に極細挽きができるのか?

早速、挽き目の0点調整をしてみました。まずは入手時の標準状態で、モーターを回しながら挽き目ダイヤル[1]まで徐々に絞っていきましたが、刃の擦れる音は当然ながら全くありません。標準では安全性も考慮して、余裕のある挽き目ダイヤルになっているようです。ちなみにこの挽き目で少し豆を挽いてみましたが、エスプレッソマシン用の極細メッシュには不十分な感じでした。

続いて挽き目ダイヤルのカバーを外し、モーターを回しながら調整ギアを直接回して、刃が微かに接触するまで絞り込んでいきました。極わずかに刃の接触音が聞こえ始める位置を何度か確認して、そこからギアを1段戻しました。正確にはギアの段間で音を感じましたので、その直前段から1段戻してるので1段半でしょうか。この状態では刃が擦れる音は全くありません。

ダイヤルカバーを戻し実際に少量の豆を挽いてみましたが、うまく挽けて落ちました。あまりに早くてちゃんと落ちてるか不安でしたが、確認したら粉がカップにありました。少し多くして10g程でも大丈夫?と再度試しても「あっ!」という間に挽けて落ちました。「挽くのメッチャ速いんですけど~!」とか「ワタクシって調整の天才?」と独り言を吐いて、挽き目の0点調整が完了したのでした。

極細挽きのメッシュはどうなの?

0点調整後の挽き目ダイヤル[1]が最細になりますが、この挽き目のメッシュは十分エスプレッソマシン用に使えそうです。というか「家庭用マシンでは細かすぎるかも?」というレベルで、デロンギKG366Jでの挽き目[1~2]程度でしょうか。挽き目[1.5]でもKG366Jでの挽き目[3]程度ですのでマシン用に使えます。マキネッタや点滴式水出しには挽き目[2~2.5]を使っています(カルディの挽き目[4~5]と同じ程度ですね)。ただし、極細で挽くと微粉もやや多めに出るようで、篩ってみたら結構ありました。実際に挽き目[1]の粉+篩い、挽き目[1.5]の粉は篩わずで、それぞれエスプレッソ抽出してみましたが、タンピングの調整でいずれも上々なクレマが立った抽出ができました。

マシンにも使える極細挽きが出来たことは、期待以上の嬉しい驚きです。このミルは「ブラボー!」な程に素晴らしいですね。調整次第で極細挽きから粗挽きまで出来て、動作も静かでグラインドも高速です。本体も堅牢で重量もあり、刃の回転にも精密さを感じます。さらに他社同型モデルに比べてお値段半額以下ですよ!奥さん!(笑)

粉の飛び散りや静電気の対策

巷のレビュー等では、挽いた粉が静電気でミルの筐体・排出口やカップに付着するとか、周囲に粉が飛散するとかありましたが、実際に使ってみると、「この程度なら普通でしょ?」という感じです。付属の粉受缶は使わずにステンレスカップを代用しているのですが、排出口ゴム周りには確かに粉の付着が少しあります。周囲への飛散も粉受カップとの間に隙間(空間)があると、高速で挽かれた粉が少し散るようです。ただし、この程度は想定内なのですよ。購入前から対策を少しは考えていたわけです。

排出口にノズルを付けてみる

まず、挽いた粉の排出口に銅管継手を使ってノズルを付けました。銅管継手は内径22.22mmで長さ35mmのものですが、少し長いかなと思い1/4をカットして長さを約26mmにしました。ミルの排出口は外径20mmの円筒形で約10mmの長さです。その上にゴム環が付いているのですが、ゴム環を外した排出口にクロロプレンゴムの発泡テープ(防音戸当たり用)を巻いて銅管継手を填め込みました。こんなやり方でも結構しっかりした取り付けが出来て外すのも簡単です。この加工でノズル状に排出口が延長され、粉受カップ(高さ90mm)に差し込まれる形になるため、粉の飛散が抑えられました。


静電気の対策はどうする?

アース(接地)で静電気を逃がす対処をされている方も多いようですが、このミルの電源コードにはアース線は付いていません(ミルのシャーシからアース線を出すことは可能)。また、このミルの設置場所に近い壁コンセントもアース接続端子が無いのでした。結局、マシン本体をアースする静電気対策は諦めました。「何か方法はないかな?」と考えて、思いついたのが手持ちの「静電気除去キーホルダー」の利用でした。このようなキーホルダーは、ダイソー等で販売されているお安いものから、高品位な数千円のものまであるようです。

コーヒーミルは回転する刃で豆を挽くことで粉粒子の衝突と摩擦が連続するため、静電気の発生装置にもなっています。マシン側(刃)は原理的には(-)静電気で帯電しますので、対策にはアースで逃がすのが簡単です。挽いた粉自体も(+)静電気で帯電しますが、こちらはマイナスイオンで中和、あるいは、RDT (Ross Droplet Technique) という、水(加湿)を使ってマシンと粉の静電気の発生自体を低減する方法がありますね。粉受けカップ等に粉が付着するのは粉自体が帯電しているからです。プラスチックの粉受けに付着しやすいのは、絶縁体で静電気が発生(滞留)しやすい上に、(-)に帯電しやすい性質のためです。金属製の粉受カップに付着するのも、(-)に帯電しやすい性質と帯電した粉による金属体の静電誘導で引き合う力が働くためです。逆にガラスは(+)に帯電しやすい性質のため、(+)に帯電した粉とは同極関係になって付着しにくいのですね。

さて、「静電気除去キーホルダー」の利用ですが、普通は、(+)に帯電しやすい人間が静電気除去(棒)を持って、(-)に帯電しているマシン筐体に接触させて放電するわけですが、マシンを使う度に「静電気除去キーホルダー」を用意して接触させるのは面倒です。そこで、静電気除去(棒)をマシンに取り付けておいて、いつでも除電できるような仕組みにしました。うまいことに、追加した銅管ノズルはマシン本体とは絶縁されていますので、ここに触れると静電気除去(棒)を持っているのと同じになるように配線しました。精密機器を扱う前やガソリンスタンドで静電気除去用のパッド等に手を接触させるのと似ていますが(人体をアースして除電する)、これをアースされていないミル本体で実現しようという「超画期的アイデア!?」なわけですよ(笑)。ミルの傍らにキーホルダーを置いておくだけでもいいとは思いますけどねぇ?!

この仕組みは、放電によって帯電したマシンから静電気を除去するものなので(人も除電されますけど)、マシンを動作させて豆を挽けばまた静電気が発生します。しかし、静電気がマシンに滞留していた場合よりは帯電量が小さくなるでしょう。ある程度の量の豆を挽いた後で銅管ノズルに触ると、静電気除去(棒)のネオンが淡く光ります。たしかに放電しているようで、何度か触っても暫くは断続的に光りますね(人体へのショックは全くありません)。

また、電源プラグをコンセントから抜くと、早々に放電しなくなるようです。マシンの電源回路は確認していませんが、電源スイッチは両切りではないようですので、使わない時は電源プラグを抜いた方が静電気の滞留防止に有効でしょう。

挽いた粉の帯電には、RDTの方法が本質的で効果も高くお手軽ですが、豆に加湿するのでミル刃やモーター等内部機構への影響も少しは気になります(普通に使用する分には問題ないと思いますけどね)。カリタのNEXT Gはマイナスイオンを放出して粉の帯電を中和するようですが、これに倣って、除菌や脱臭用のコンパクトで安価なマイナスイオン発生器を併用する手もあるかもしれませんね。使う場所がキッチンとかでしたら、除菌脱臭の空気清浄効果があれば「一石二鳥」なわけですよ。

脱臭用のマイナスイオン発生器を併用してみる

というわけで、某アマゾンで調達した脱臭機(マイナスイオン発生器)をBM-250Nの近くで稼働させてみました。購入した製品は某中華製でしたが、驚きのタイムセール価格でしたので(送料込673円。通常2,588円の74%OFF)、調子にのって2個「ポチッ」たのでした(笑)。このマイナスイオン発生器は電源コンセントに挿すだけのコンパクトなものです。スイッチONで2時間運転+10分停止の繰り返しになるようです。

コーヒーミルを置いているキッチンは約7畳の空間なのですが、2台を別々のコンセントで数時間以上(ひと晩以上)稼働させておいたら、確かに匂いが消えた(薄らいだ?)ように感じて空気の清浄感もありますね。お安く入手したのでダメ元と思っていたのですが、予想以上にいいかも?でした。

挽いた粉の付着具合ですが、元々さほど散らないように対策していますのでマシン本体への付着はほぼ無しですね。RDTの手法を使わずに挽いた場合でも、粉受けカップや銅管ノズルへの付着が少ないように見えるので、少しはイオン効果がある感じです(プラセボ効果マイナスイオン発生量も少なそうですしね)。

現状、豆を挽く時はRDTの方法で加湿していますので、カップへの粉の付着はほとんどありません。また、銅管ノズルの効果で粉の飛び散りもほぼ無いのです。銅管ノズルの先端部分に少しは微粉が付着しますが、簡単に拭き落とせる程度です。なお、ステンレスカップを置く底部にも滑り止めと静電絶縁のためのシリコンゴムシートを敷きました。

BM-250Nはモーターの回転速度が速いので、少し回転速度を落とすことも出来るように、自作の交流電源コントローラーを経由して電源に接続しています。このコントローラーの電源スイッチは両切りにしていますので、静電気対策にもいいかなと思ったわけです。通常は電圧を下げずにAC100V(近傍)で使っていますが、AC電圧を下げてもさほど回転数が落ちないのでDCモーターかもしれませんね。


交流電源コントローラーは2系統制御可能ですが系統あたり5Aの使用制限です。

このマシンは極細挽きはサブ機的な使い方で(メインマシンはデロンギ)、主としてマキネッタ、点滴式水出し、ハンドドリップ用に細挽きから中挽きで使っています。色々と改造というか手を入れて使っていますが、自分でカスタマイズした製品ほど愛着が湧いてカワイイものなのです。


De'Longhi KG366J デロンギ製(イタリア)

寸法:W135×D195×H290mm
重量:1.6kg
ホッパー容量:約310g
粉受容量:約110g (中挽き時)
電源(消費電力):AC100V 50-60Hz(130W)
定格時間:70秒
ミル刃:ステンレス製(コーン式)
挽き目:16段階
コード長:約1.8m

このコーヒーミルはエスプレッソマシン用に極細挽きが出来る製品ということで選んだものです。趣味の家庭用ですから5万円~10万円以上の本格的なエスプレッソグラインダーは「高価すぎ!」と理性が邪魔して論外でした。2~3万円以下のミドルレンジで、非加圧式フィルターにも使える極細挽きが出来るものは限られているようです。

極細挽きが出来るという製品でも「加圧式フィルターなら使える」というユーザレビュー等もあって、同じデロンギで実績のあったKG364Jの後継機にあたる本機を選んだわけです。KG521J-Mも気になって検討しましたが「非加圧式フィルター用には極細挽きできない」との情報で却下となりました。

このミルは極細挽き~中挽きまで使える仕様で粗挽きは出来ません。最も粗く挽き目を設定しても中挽きか中粗挽き程度ですが、当方の用途ではマキネッタや点滴式水出し、ハンドドリップに使えればよいので全く問題ありません。ちなみに製品の売り文句は以下のようなものですな。

○低速回転でコーヒーの命である揮発性のアロマを損なわない
○粒度の均一性が高いコーン式(円錐型)コーヒーグラインダー
○極細挽きから中挽きまで16段階の粒度調節が可能

前機種(KG364J)からの改良もあるようですが、実際に使ってみると、低速回転なこともあり動作音が静かです。また、プラスチック(樹脂)の粉受けなのに、粉の付着が少なく優秀です(RDTの方法を使うとほぼ付着しません)。帯電しにくいプラスチック素材を使っているのでしょうね。ホッパーの容量も少し大きくなりました。

筐体はプラスチックで少し安っぽく重量も軽いですが、その分、流し台等に移動してメンテナンス(清掃)も簡単に行えます。このミルの弱点は挽いたコーヒーの粉が本体内に残ることですが、少し傾け軽く叩いて粉受けに落としても、刃の周囲には結構残ってますね。ホッパーを取り外すと外刃ユニットも外せるので、ミルブラシやブロアーで内部と共に掃除ができます。内部への粉残りも BRIEL MEC-5009J 程は酷くないので「しょうがないねぇ」と割り切って、こまめに掃除しています。


底部には電源コードを格納できます。スリムでコンパクトな筐体。

さて、肝心のグラインド性能ですが、かなり優秀だと思いますね。挽き目[2~3]で極細挽きすれば、非加圧式フィルターでも十分細かいメッシュです。挽き目[1]では「家庭用マシンでは細かすぎるかも?」というレベルです。微粉の量も少なめですし、中細挽きまではメッシュも揃っています。このミルで挽いた極細の粉は、BM-250Nで挽いた極細の粉よりもクリアな味わいでエスプレッソが美味しく感じます。微粉の量とか低速挽きでのアロマ残留の関係でしょうか。

このミルはエスプレッソマシン(非加圧フィルター)用のほぼ専用機です。時々極細挽き以外にも使いますが、細挽き以上はBM-250Nを主に使うようになりました。このマシンの性能や使い勝手には満足していますので、故障で使えなくなったら、また同じ機種を購入するかもしれません。お値段的には「Breville Smart Grinder Pro」や「ascaso i-mini」も魅力なんですけどね。

余談ですが、このミルは挽き刃の機構も簡単そうなのにかなり極細に挽けるのですね。外刃(ユニット)は3つの溝に嵌めて単に置いている感じで、強く固定されているわけではありません。外刃の上部ホッパー部はシリコンゴムで出来ているのですが、プラスチックの(豆入れ)ホッパーを本体に嵌め込むと挽き目調整枠と合体し、底部でシリコンゴム部分を軽く押さえてホッパーを結合するようになっています。そのため、外刃は自重とシリコンゴムの弾力(圧力)のみの取り付けで、ややフローティングな状態です。MAZZERのグラインダー等も上刃は"スプリング"を入れた溝に嵌め込み、挽き目調整枠で押さえるような構造ですね。このような挽き刃の構造の方が、刃が近接しても接触を防ぎ安全に極細挽き出来るのでしょうか?何らかの伝統的アイデアや特別な原理があるのでしょうかね(BRIEL MEC-5009Jの上刃は本体にキッチリ固定される構造ですけどね)。


使っていると内部(プラ部分等)は茶色くなってきます。拭いても落ちませんね。

ベルヌーイの定理の応用で「ディスク面とヘッドの間の流速を下げると近接しても接触しない方向に圧力がかかる」というのを利用した、リムーバブル磁気ディスク装置「Bernoulli Box」「Zip Drive」が昔あったのを何故か思い出しました(Iomegaですな)。


BRIEL MEC-5009J / ブリエル製(ポルトガル

寸法:W138×D170×H235mm
重量:1.1kg
ホッパー容量:約170g
電源(消費電力):AC100V 50-60Hz(100W)
定格時間:60秒
ミル刃:浸炭焼入れ鋼(フラット臼式)
挽き目:17段階
コード長:約1.6m

このコーヒーミルは、BRIELのエスプレッソマシンを衝動買いした頃に、同じBRIEL製で「お揃いだね!」と何故か気持ちが浮ついて購入したものでした(笑。当時はエスプレッソにも対応と言う情報や極細挽きは出来ないという人もあって、「どっちやねん?」と思いましたが「お安い新古品だし~」ということでゲットしてみたわけです。

しかし、使ってみた結果はというと、このミルは「ダメダメちゃん!」ですね。ダメならわざわざ書くなと言われそうですが、何がダメなのか記録しておこうと思ったわけですよ。大まかな特徴や売り文句は以下のようなものです。如何にも高性能って感じですが、「ちょっと盛りすぎじゃない?」って思いますけどね(個体差もあるでしょうけどね。ハズレ引いた?)。

○豆をすり潰しながら挽く臼タイプで均一な粗さで挽ける
○17段階で粗さ調節ができエスプレッソ用極細挽きが可能
○グラインダー刃は焼入浸炭加工されており摩擦に強い
○刃が簡単に外せてお手入れが簡単
○最大170グラム(約12杯分)まで一度に挽くことができる

まず、このミルは高速回転のモーターで「うるさい!」です。当方で使っているキッチン家電では、アイリスオーヤマのミキサーと並んで騒音の東西横綱ですな(笑)。グラインドですが、フラット臼式で「上下の歯ですり潰すように均等に挽く」といいますが、中挽き以上の粗さではメッシュのバラツキが目立ちます。粗挽き設定のメッシュも細か目で微粉もありますので、中挽き~細挽き向きのミルですね。

挽き目の調整は1~9の0.5刻みで「1~2 がエスプレッソ」らしいのですが、「エスプレッソって何?」と言いたくなる粗さなんですけどね。ダイヤル[1]の最細で挽いても、BRIEL Portoの加圧式フィルターですら粗いのですね。初めて使ったときは、五月蝿いし「捨ててやろうか!」と思いました。何か極細挽きする方法はないかと考えて「二度挽きは?」と思い、挽き目[1]で再度挽いてみたら何とかマシンで使えそうなメッシュになりました。ただし、二度も挽いているので微粉も多く、篩いが必須で粉の目減りも結構あって勿体ないのです。

臼刃の上刃は外せて掃除出来るようになっています。下刃は本体に内蔵されて外せません。刃自体は浸炭焼入れされているらしく、HRC60以上の硬度があるのでしょうが、切れそうな刃ではなく掏り潰す刃ですね。外せる上刃は本体に嵌めて固定しますが、固定枠は挽き目調整ダイヤルと連動していますので、挽き目の調整は上刃を動かして行っています。そこで、後述のように上刃の取り付け調整で、極細挽きできないか試してみました。

このミルの弱点(短所)でよくいわれるのが、粉受けのコンテナがプラスチックのため、内部に微粉が盛大に付着することと、本体内にも粉残りが多いことです。挽いた粉は下に排出されるのではなく、コンテナ上部の横の口から排出される構造になっていますので、傾けたり少し叩いてもなかなか落ちてきません。プラスチック製本体の帯電で排出口まわりにも粉の付着が多いです。使う度に掃除が必要ですが、残り粉も結構捨てることになりますね。


臼刃(上)の取り付けを調整してみる

上刃は本体の臼刃枠(ホッパー下部)に填め込んで固定するため、プラスチックの枠と共に豆誘導用の傘型部材と3本のボルト(M3)で連結するようになっています。この枠への取り付けボルトにワッシャー等を挟むと、上刃を少し下げて下刃と接近させることが出来ます。最初に厚さ0.8mmのステンレスワッシャー(外径8mm)を挟んでみたら、挽き目ダイヤル[4]程度で臼刃が接触するようでした。理想的には、挽き目ダイヤル[1]で接触するかしないか程度がベストなので、どの程度下げられるか計ってみようと考えました。

上刃の取り付け枠のボルト穴は、刃を付ける側が何故か僅かに中央が凹んでいます(径6mm程で深さが約0.5mm見当)。そこで手持ちの(M3)ポリスライダー(外径5.4mm、厚さ0.13mm)を窪みに嵌めて、何枚重ねたらダイヤル[1]で刃が接触するか試しました。7枚重ねるとボルトの締め付けトルクによっては刃が擦れるので、ダイヤル[1]で刃がギリギリ擦れない程度にボルトを締め込み、上刃を取り付け後に刃を回転させて、指で少し圧力をかけると刃が擦れる程度に調整しました。ポリスライダーは素材が柔らかいのでボルトの締め込みで若干圧縮します。単純計算では上刃の下がりは約0.4mmですが、強めに締め込んでいますので0.3mm見当でしょうか。これでうまくいったら、外径8mm、厚さ0.3mmのステンレスワッシャーを購入して取り替えようと考えていました。


iPhoneで撮影したので画像が少し粗いです。写真(右)がポリスライダー7枚重ね。

調整後にダイヤル[1]で少し豆を挽いてみましたが、やはりメッシュは粗いですね。二度挽きしてようやく加圧式フィルターで使えるかなという程度です。非加圧式フィルターでは、粉の量やタンピングの調整でも厳しい感じですね。この結果で「調整しても多分無理!」と投げました(T-T)。

また、動作時の騒音対策になるかな?と自作の交流電源コントローラーを繋ぎ、電圧を徐々に下げて試してみましたが、ある程度は電圧がないとモーターが直ぐに止まりますし(DCモーターかな?)、モーターが継続して回る電圧の下限でも回転数が高くやはり五月蝿いですね。やっぱり「ダメダメちゃん!」ですな。

結局、このグラインダーは細挽き~中挽きで少しの間だけ使いましたが、何しろ五月蝿いので使う気になれず、まだ綺麗なままでキッチンの戸棚の奥に鎮座となりました(残念!)。